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「数字」と「ストーリー」の両面で見せる——助成金と隣り合わせの「成果」。より良いインパクトの在り方への模索 社会福祉法人 中央共同募金会インタビュー(2)
前回に引き続き、中央共同募金会さんへのインタビューをお届けします。(第1回はこちら:https://livequality.co.jp/hub/about/news/240125)
藤岡:近年、様々な助成や寄付の文脈で「インパクト」という言葉が頻繁に使われるようになりました。そして私たちの中では、「インパクト」という言葉には一定、量的なインパクトが重視されているという所感を持っています。
私たちの支援している母子家庭は20世帯(2023年12月時点)です。私たちとしては、活動を開始して2年で20世帯という数は少なくないと思っている一方で、絶対的な量として少ないことは否めません。それこそ、食糧支援や学習支援を併せて行えば支援件数を増やすことはできるかも、などと思うこともあります。
その中で、設立1年目に第5回、2年目に第7回の助成に採択していただいたことが団体としてもすごく大きなサポートになっています。赤い羽根さんの中で、助成団体の「インパクト」についての議論や方向性があれば、教えていただけますか?
岡田さん:難しいですね。審査員のメンバーによっても違うかと思います。
確かに量的なインパクトを求める、求めたくなる気持ちは助成側としては非常にわかります。でも、「そこに本当に支援の実効性とか豊かさみたいなものはあるのか?って言われたらどうなんだろう」と、正直思っているところがあるんです。なのでインパクトでは活動の実態は計りきれない。ただそうは言っても「300万円の助成で、一人か二人支援しました」となるとそれは困るところなので、なかなか難しいです。とはいえ、数だけでみていないというのは審査をしていて確かに言えることだと思います。
個人的には、団体の活動を通じて新たな課題が見え、そこからなにか新しいことをやろうとする動きが大きいのではと考えています。助成した事業の成果がどうなるかはわからないですが、従来の活動から課題を抽出し、その課題に対して新たな活動をしたいというプロセスが見えることは、私の中での一つの指標です。それが申請書を通じて読めるとですね、嬉しくてしょうがなくて。「あ、いい活動してるなー!」となるんです。
課題意識を持って仕事をしていくと、「ん?なんかこれおかしいな?」とか、そういう意識がちょこっと芽生えてくると思うんです。そういう方たちの意識や想いが申請書を通して伝わり、その芽を応援できるから私は多分嬉しいんだと思います。
山内さんはどうですか?
山内さん:数字を求めていくことは、我々がその成果を外に見せていく上では必要なんですよね。この助成をしたことで、これだけの支援が出来ましたよと。そして実はうちはそこがあまり得意じゃないところでもあります。そのため、「どのように成果を見せていくのか」という点は、助成をする側としてきちんと取り組んでいく必要があると思っています。
ただ、その数字をどう捕まえていくのかといった時に、営利企業が作る成果指標、目標の多くが数値化できるものである一方で、我々のような、そしてLivEQuality HUBさんのような活動は「人」が前提なので、必ずしも全てが数値化できる問題とは限りません。そのため、数字は数字でもちろん最低限必要なんだけれども、それに加えて、最近はよく「ストーリー」の可能性について考えています。「これぐらいの人を支援出来ました」という数字での成果に加えて、その中でも、より印象的だったり重要なエピソードを追加して、それを数字との両面で見せていく。その方がむしろ「人」を対象にする支援活動だと伝わりやすいだろうなと思っています。
宮崎:やはりこの指標や成果の部分って、誰も正解を知らない問題だと思っています。それぞれの「流派」がありますよね。
一同:確かに。笑 ありますね。笑
宮崎:これまでの資本主義的なロジックや量的な指標を使いながらやろうとしている流れもあれば、今仰ったストーリーを加えるといった形もあると思います。私たちも模索している最中ですが、特にその人の「豊かさ」を大事にしていきたいと考えています。
加えて、私たちはシングルマザーを対象にしているので、必ず育てている子どもがいます。その意味では、「シングルマザー」一人を豊かにすることだけではなく、子どもの人生にも影響を与えるという、時間軸の長い大きなインパクトがあると考えています。ですので、こうした現実をみなさんにわかる形で表現できるよう、試行錯誤していきたいです。

*宮崎が話している様子
藤岡:助成団体に求めるインパクトは、助成プログラムごとで異なるのでしょうか?
岡田さん:居場所助成では、あまり大きくは変わらないと思います。もちろん審査員や事務局個々人に少しずつ違いはあったとしても、審査の議論を進めていく中で、「うちとして重視するのはここだよね」とだんだん醸成されてきました。中央共同募金会としてコロナ禍からはじまった助成を始めて4年の中で、徐々に収束していった感覚があります。
ただフェーズも変わってきているので、「今までこうだったけど、このままでいいのか?」みたいな議論もします。そのため、言語化されたモデルとしての「インパクト」はありませんが、ベースとなる共通理解が組織の中にあって、その上で指標を少しずつ変化させていく形で進めています。
山内さん:あとは、数多くの応募を見させていただく中で、「これはこんなに実績や数値目標書いているけど、本当かな?」と思うような応募を見かけることがあります。基本は申請書で審査するんですけども、そういった場合にはホームページや活動報告などの情報も確認しながら、その団体の実現性を大事にしています。なので、最初からそこまで数字で見てないんです。応募された活動がきちんと実現できるのか。そこで見ている方が多いと思います。
岡田さん:加えて、申請した事業を、受益者の方が本当に望んでいるかどうかも重要で、やはり困っている人のニーズの上に、申請した活動が見えてくるとありがたいです。困っている方たちへどれだけ寄り添ってやっていらっしゃるのかは、申請書で見える限界もあるので、ホームページや活動報告なども読ませていただきます。それでも全てがわかるわけではないんですけども、「あ、ちゃんと寄り添ってやってるな」とか、そういうところは気にしてみている部分ではあります。それがこちらに伝わるかどうかはもちろん、私たちがそれを読み取れるかどうかが大事なことだと考えています。
第3回では、今回助成いただいた私たちLivEQuality HUBの事業内容やその成果について、さらに踏み込んだお話をお届けします。
第3回の記事はこちら
https://livequality.co.jp/hub/about/news/240208
赤い羽根共同募金を運営する社会福祉法人 中央共同募金会さんのホームページはこちら
LivEQuality HUBのホームページはこちら
https://livequality.co.jp/hub/about
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