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2024/1/25

「地域の今」を応援する。コロナ禍の人々の生を支えてきた、赤い羽根共同募金の想いと狙い。社会福祉法人 中央共同募金会インタビュー(1)

 私たちLivEQuality HUBの活動は、みなさんからの寄付をはじめ、様々な方からのサポートによって可能になっています。その中でも、個人や企業の方からの寄付金等の分配を通じて活動を応援する助成金団体は、私たちを含むNPOの大きな支援者の一人です。今回は、活動1年目から私たちの活動を助成いただいている社会福祉法人中央共同募金会さんへのインタビューを毎週1回、全4回にわたってたっぷりお届けします。

 みなさんも一度は見たり、募金したりしたことがあるであろう「赤い羽根」。

 昭和22年(1947年)の活動開始から、これまで累計1兆円、令和4年度(2022年度)だけで140億円以上の助成を行ってきた(*1)赤い羽根共同募金を運営する都道府県共同募金会の連合会である中央共同募金会さんですが、その内実、赤い羽根の「中の人」の想いについてご存じの方は少ないのではないでしょうか。今回は中央共同募金会の助成プログラム、「居場所を失った人への緊急活動応援助成」の一貫で、事務局の山内さん、岡田さんにお話を伺うことができました。なんと、助成先の団体からインタビューを受けるのは今回が初めてとのことです!
 お話を伺うと、そこには普段のNPOと助成金団体の関わりからは見えづらい、助成金を出す側の想いと試行錯誤がありました。これまでの助成の歴史から、最近流行りの「インパクト」の捉え方、私たちの採択された事業と採択背景、そして「中の人」の驚きのキャリアまで、盛りだくさんの内容でお届けします!

 

(*1 令和4年度 年次報告書より:https://www.akaihane.or.jp/news/bokin/33607/)

 

 

【今回インタビューにご協力いただいたみなさん】

山内 秀一郎さん(社会福祉法人 中央共同募金会 基金事業部長)

岡田 早苗さん(同 基金事業部)

 

【インタビュアー】

宮崎 真理子(弊団体副代表理事)

藤岡 よし乃(弊団体職員)

*向かって右側から、山内さん、岡田さん、宮崎、藤岡

申請内容から、世の中の実情が見えてくる——コロナ禍以降、人々の居場所を支え続けている「居場所助成」の始まりと今

緊急的な助成から、より根本解決を目指す助成へ。「居場所助成」の4年間の歩み

 

藤岡:この助成を始めた経緯、そして助成活動の目的についてお聞かせいただけますか?

 

岡田さん:私は第1回の途中からこの助成に関わるようになりました。名前が長いので、私たちはこの助成を「居場所助成」と呼ばせていただいています。

 みなさん覚えてらっしゃるかもしれませんが、当時、学校の臨時休校がありましたよね。2020年3月頃、多くの方が大変な状況にいました。学校が休みになり、親御さんも子どもたちも居場所がなくなり、食べることもとても大変だとの声があり、何かできないかということで緊急助成を始めました。


 他にも、医療や介護を受けられない高齢の方や障害を持つ方、寮生活をしていたために職と同時に住まいを失った方、仕事が減らされたことで食糧確保が難しくなった親御さん、特に母子家庭の方。このような方たちを緊急的に支援している団体さんに対して助成できないかと始まったのが、この居場所助成になります。なので初めは、緊急的な困難な状況に対する支援でした。


 しかし助成をはじめて3年目あたりから世の中の情勢も変わってきて、「緊急的に食糧を渡さなきゃ」とかだけではなく、もう少し先を見据えて活動をしている団体さん、コロナによって今まで見えていなかった潜在的な課題に取り組む団体さんの応募が増えてきたんですよね。そこで中長期的に課題を根本的に解決するための活動に対しても、長い目で助成をしていく必要があるんじゃないかということで、形を変えながら第8回まできました。

 

山内さん:岡田の話と重なりますが、現在では当初の緊急支援とは少し目的も変化してきています。直近の居場所助成の審査では、食糧支援を行うためだけの活動などに対しては採択しない傾向にあります。代わって、根本解決を目指す。対症療法的なことではなくて、根本解決に向けた取り組みを重視しながら採択をしていきたいと考えています。なので同じ居場所助成で回数を重ねてはいるんですけども、採択されている事業の内容を見ると、少しずつ変わってきていることがお分かりいただけると思います。

 

統計的な数字より、「地域の実情」を書いて欲しい——助成プログラムの作り方

 

宮崎:面白いというか、興味深いなと思いながらお話を聞いていました。お二人をはじめとする事務局のみなさんは、助成への応募内容をみて世の中の動きをみていらっしゃるんですね。この応募は今回の助成にはフィットしないけれど、こういう応募が増えてきているし、という動向をみて助成プログラムを作られているんですか?

 

岡田さん:やはり申請内容から、世の中の実情が見えてきますね。本当はみなさんの活動現場へ直接行ってお話を伺えればいいんですけど、なかなかそこができないので、申請書はいま地域で何が起きているのかを知るための大事な情報になっています。また、助成を終えた後の報告書も大きな情報源となっています。

 

宮崎:へえ。じゃあ、私たちも通らなくてもめげないのが大事ですね(笑)。ひとつひとつの応募が次の道を作っているかもしれない。時にはプログラムに合わせ過ぎず、自分を曲げすぎずに書くことも大事なんですね。

*岡田さんがお話ししている様子

 

岡田さん:そうですね。特に地域で何が起こっているのかはすごく知りたいところです。たとえば一般的な、引きこもりが日本に何人いて...という情報よりも、「あなたの地域で今それがどうなってるんですか?」というところが知りたく、地域によって実情も違うので、実際に起きていることを大事にしていきたいと思っています。そして一般的な数字やイメージと異なる実情が、「あそこの地域でも、ここでも色々起こってるんだ」となると、プログラムを再検討する契機にもなります。

 

山内さん:宮崎さんの言っていただいたことは本当にその通りなんです。居場所助成で最初に緊急助成を行って、その中で本当に色々な課題が見えてきたんですね。たとえば外国籍の方が抱える問題を何かしたいという応募はすごく多かったです。そうなった時に事務局の中で、居場所は居場所で助成を続けていくけれど、外国籍ルーツって思っていたより深刻な問題かなとなり、「それは別立てで助成プログラムをつくろうか」という話になりました(*2)。


 他にも、医療的ケア児の問題も応募の中で多くみられたことで、新しく医療的ケア児向けのプログラム(*3)を作ったりしました。居場所は、ありとあらゆる、なんでもとにかく受け付ける。その中で我々も色々な今の社会でこんな課題が地域にあるんだ、ということを知ることができるんです。そこから新しく助成プログラムを作ってきました。

 

宮崎:なるほど、それでは私たちも地域の課題を書き続けます!

 

(*2 コロナ禍での「居場所を失った人への緊急活動応援助成」に加え、中央共同募金会さんは三菱財団と共同で、「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」という助成を行っています。https://www.akaihane.or.jp/subsidies/sub-corp-prog/14341/)

(*3 「重症児等とその家族に対する支援活動応援助成」  https://www.akaihane.or.jp/subsidies/sub-problem-solving/31297/)

 

 

第2回では、最近話題の「社会的インパクト」の捉え方について伺ったお話を、お届けします。

第2回の記事はこちら

https://livequality.co.jp/hub/about/news/240201 

赤い羽根共同募金を運営する社会福祉法人 中央共同募金会さんのホームページはこちら

https://www.akaihane.or.jp/

 

LivEQuality HUBのホームページはこちら

https://livequality.co.jp/hub/about

 

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