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2025/2/19

LivEQuality HUBのスタートダッシュを支えたのは、モリゾーとキッコロ? NPOを育てる財団の想いに迫る。 一般財団法人中部圏地域創造ファンドインタビュー

私たちLivEQuality HUBの活動は、一緒に活動してくださるボランティアさんや、食品や日用品をおすそわけしてくださる方、ご寄付をくださる個人や法人のみなさん等、多くの方々のご支援によって成り立っています。そんな中でも、私たちが活動を継続していく財務的な要になっているのが「助成金」です。

今回ご紹介するのは、「草の根活動支援事業」として2022年からご助成いただいている、一般財団法人中部圏地域創造ファンドさんです。お忙しい中お時間をくださった、事務局の羽根田さんと栗木さんとのインタビューの様子をお届けします。

<向かって左から藤岡、羽根田さん、栗木さん、星野>

【今回のインタビューにご協力いただいたみなさん】
羽根田英樹さん(一般財団法人中部圏地域創造ファンド 理事)
栗木梨衣さん(一般財団法人中部圏地域創造ファンド プログラムオフィサー)

【インタビュアー】
藤岡よし乃(弊団体職員)
星野凱永(弊団体インターン)

中部圏地域創造ファンドとLivEQuality HUBの関係について

まず、インタビューの内容に入る前に、中部圏地域創造ファンドさんと私たちLivEQuality HUBがどのような関係なのか、簡単にご紹介します。

私たちは2022年から、「休眠預金等活用制度」によって中部圏地域創造ファンドさんから助成金をいただいて活動しています。これはLivEQuality HUBだけでなく、設立発起法人である千年建設株式会社、認定NPO法人おてらおやつクラブ、そして2023年度からは一般社団法人世界アーチング協会も加わり、コンソーシアム(チーム)として助成していただいています。

※「休眠預金等活用制度」について詳しく知りたい方は、内閣府のホームページをご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/kyumin_yokin/seido/seido.html

2022年4月にスタートしたこの助成は3年間の期限付きで、今年3月に終了予定です。3年間手厚く支援していただいたおかげで、「こどもえんにち」という母子家庭向けのイベントが毎年開催できるようになっただけでなく、多くのシングルマザーやそのお子さんと繋がることができたり、おてらおやつクラブさんやアーチング協会さんとの連携がより強固なものになったりと、たくさんの効果が生まれています。

お金の効果を最大化させ、NPOを育てる基金

藤岡:今日はどうぞよろしくお願いします。中部圏地域創造ファンドさん(以下、「中部圏さん」)は2018年に設立された、比較的新しい財団だと思います。改めて、財団の設立経緯について教えていただけますか。

羽根田さん:発端は、2005年に開催された愛知万博「愛・地球博」です。愛知万博は大盛況に終わりまして、生まれた利益を国、県、市で分けようということになりました。市民参加のおかげで成功したという認識があった県は、そのお金を使って市民活動に寄与する基金を作ったんです。それが「あいちモリコロ基金(以下、「モリコロ基金」)」、今のファンドの前身です。

モリコロ基金は2007年に設立されたわけですが、およそ10年間という期限付きの基金でした。しかし結果として、2018年度の終了まで総計1,603件の助成を行い、非常に効果をあげました(あいちモリコロ基金アーカイブ「あいちモリコロ基金とは」)。

これを無くすのはもったいないということで、愛知万博やモリコロ基金に関わっていた人たちで、別の基金を作ろうという話になったのがファンド設立のきっかけです。

<向かって左から羽根田さん、藤岡>

藤岡:現在私たちが採択いただいているのは、休眠預金活用事業の一環です。最初から休眠預金の活用を目指していたのでしょうか?

羽根田さん:いえ、最初から目指していたわけではありません。
新しい基金を作ろうと話があがってから、最初に理事会を開いたのが2018年頃。その時はお金が無かったんですけど、とにかくスタートさせようということで、みんなでお小遣いを出し合って始めた。そうこうしている間に、休眠預金制度が出来ました。タイミングが良かったんですね。

元々は皆さんから寄付をいただいて助成活動をしようとしていたのですが、休眠預金制度で貰える金額が莫大だったんです。それで、これを活用しない理由はないということで、色々な提案をして採択してもらって。ただし休眠預金を活用するという特性上、国民への透明性・公平性というのが他の基金などに増して重要なので、申請書類や報告書類が厳しかったり、専任の役職を置く必要があったり、大変なこともあります。

藤岡:確かに、私たちも中部圏さんから休眠預金制度を活用した助成金をいただきながら活動している中で、他の助成金とは違うなと感じる部分もあります。金額や厳しさといったこと以外に、何か特徴だと考えられていることはありますか?

 

羽根田さん:休眠預金制度は管理やチェックが厳しいという反面、予算対象項目が随分と幅広いんです。例えば、人件費として使用していいっていうのは珍しい。他にも耐久消費財にも使えるということで、中古自動車を購入した団体もいます。耐久消費財に充てると、助成が終わっても一定年数使用を継続しなければならない。そうすると、助成後も活動が継続されるんですよ。それはNPOの最初のインフラ投資としても非常に意味があるなと。そういったところが、長く続く活動を生み出している気がします。

また、管理面が厳しいことと同時に、成果をすごく求めてくるというところがあるかもしれません。

<羽根田さんがお話されている様子>

栗木さん:羽根田さんが仰ったことに関連して言うと、JANPIAさん(休眠預金の助成や貸付、出資を行う団体)はお金を出すだけではなくて、NPOを育てていこうという思いをすごく感じる。ただ報告してくださいというだけでなく、評価の仕方や成果の出し方などを事前、中間、事後といったタイミングで丁寧にレクチャーしていただいています。

あと、他の助成金情報や一般企業からの様々な情報もいただけるんです。他にも、JANPIAさんは私たち資金分配団体に対する研修も頻繁にしていただいています。お⾦を出して終わりじゃなくて、⼀緒になって勉強していきましょうっていうスタンスがある。

藤岡:具体的には、どういった研修なのでしょうか?

 

栗木さん:評価や伴⾛⽀援の仕⽅、お⾦の精算など。あとは、前年度の事例共有や、こんな企画がありますよといった情報提供などもあります。

 

藤岡:確かにそういう研修があるとありがたいですよね。私たちも、ちょうど先日JANPIAさん経由である企業さんからおもちゃが届きました。それはお子さんたちに直接プレゼントできるので、お金以外の支援の有難さも感じているところです。

モリコロ基金の想いを受け継いで

藤岡:中部圏さんとして、モリコロ基金と共通していると感じていることはありますか?

 

羽根田さん:小さいNPOを育てるということに尽きますね。モリコロ基金は、非常に優しい基金だったと思っていて、数十万円単位での応募も良い提案であれば、採択していました。中にはそれで育ったNPOも結構あったかと自負しています。

しかし、休眠預金事業のように額が大きくなると、そうばかりは言ってられないジレンマはあります。規模の大きい団体さんにコンソーシアムを作ってもらって、そこに小さな団体さんにも入ってもらう。そうした中で、小さなNPOにもリーチしようとしています。

<羽根田さんがお話されている様子>

藤岡:モリコロ基金の頃と比べると、助成対象エリアが愛知県から中部圏(愛知、三重、岐阜、静岡、長野の5県)に広がったと思います。その経緯や、活動を通して見えてきた中部圏の特色などがもしあれば、伺ってもよろしいでしょうか。

羽根田さん:ファンドの設立時にも、助成対象エリアを愛知県に限定しようという話も実際ありました。しかし、NPOさんの立場に立ってみると、県域を超えた活動が十分にあり得る。そこで、県域を超えた活動に対しても目を向けようということになりました。
一方、全国まで広げてしまうと勝手が分からない。モリコロ基金の活動を通して愛知県やその周辺での活動に関するノウハウは持っていたので、それを活かして活動しようと。そういう経緯で始めました。

中部圏の特色は、端的に言うと、南海トラフ地震に向けた防災対策と、在留外国人対応のニーズの高さだと思います。在留外国人の数は、東京に次いで愛知県が2番目に多いんですよね。今でもすごく増えている。

藤岡:今助成されている団体は、外国人支援の分野が多いのでしょうか?

栗木さん:今私が関わっているところだと、4コンソーシアムのうち、2つは外国人支援を目的としています。ただ、今、外国人の問題って色々な分野が関与していますよね。どの団体とお話ししていてもトピックとして挙がります。

藤岡:確かに、私たちも外国籍の方をメインターゲットにしているわけではないんですが、結果として居住者さんの2~3割が外国籍の方。そういう意味では、外国籍の方や外国にルーツがある方の課題は、愛知やその周辺のエリアではすごく大きいと常々感じています。

審査基準や日々の伴走支援。助成事業の裏側

藤岡:ここからは少し私たちLivEQuality HUB(以下、「HUB」)に関するお話をいただければと思います。まず、設立間もない団体を助成するということで、不安もあったかと想像します。(2022年1月設立、4月から助成開始)助成に至った経緯など、可能な範囲で教えていただけますか。

羽根田さん:前提として、私たちとは利害関係の無い審査員の方々に評価基準に沿って審査いただくので、私たちの思いが反映されることはまず無いです。逆に言えば、新しい団体でも先入観なく検討いただいています。

これは後から思ったことですが、HUBさんの場合は広域展開の可能性や、株式会社と組むことで新しい価値創出が可能だということが、分かりやすい提案だったのかもしれない。これまでの助成先を見ていると、今までやってきたことの継続よりも、新たな価値を付け加えた形が多い。やっぱりその方が社会を変えていける期待ができるんでしょうね。

<羽根田さんがお話されている様子>

藤岡:中部圏さんの助成先には様々な形態や規模の団体がいて、それらがコンソーシアムを組んで活動しています。そうした中での伴走支援ってかなり難しいだろうなと。栗木さんがプログラムオフィサーとしてお仕事されている中で、特に難しさを感じる点はどんなところでしょうか?

栗木さん:一番難しいのは、私たちが資金分配団体としてどこまで入っていいのかというところ。
団体や地域、そこで生活する人々のことなど、色々と勉強しながらやっていますが、つくづく思うのは、各団体本当にすごくいい活動をされているなと。
伴走支援では、それをより良くしよう、地域に広げて行こう、継続力をつけていこう、ということを目指しているのですが、やりすぎてしまうと現場団体がいっぱいいっぱいになってしまう。そのバランスが難しいと思います。

藤岡:栗木さんは現在18団体もの伴走支援をされていると伺いました。

栗木さん:伴走支援っていうとおこがましい気がしますが、ちょっと一緒にお話しできたらいいなという感じです。第三者が入ることで、コンソーシアム内では話しにくかったことが話せることもあります。それでも中々言いにくいことを聞き出すために、月次面談で関係性を築いて、各団体さんを訪問したりとか。

皆さんとお話しをさせていただいて痛感するのは、皆さん良い活動をしようと本気で思っていらっしゃるんですよね。それがとても伝わってくるから、大変なことがあっても、リスペクトを持って伴走させてもらっています。

藤岡:今最後に仰ったことに通ずるかもしれませんが、その中でも、どのようなところに特にやりがいを感じていらっしゃいますか?

栗木さん:皆さんから色んな報告をいただくことに尽きます。こんなところと繋がりましたよとか、行政から予算がおりましたとか、そういうちょっとした報告が本当に嬉しい。日々の活動の中では見えないかもしれないけど、ちゃんと積み重なっていい形になってきているなというのを、そういうとき、すごく感じます。

助成を受けて3年。私たちの変化と、これからについて

藤岡:これまで3年間ご助成いただいたおかげで、「こどもえんにち」の開催や日々の支援業務も充実してきたなと考えています。羽根田さんや栗木さんから見て、この3年間で感じられている私たちの変化とはどういったところでしょうか?

栗木さん:最初の頃はHUBさん自身の話が多かったのが、最近はおてらおやつクラブさんとかアーチング協会さんとか、コンソーシアム全体の話をしてくださるようになったなと。元々仲が良いという話は伺っていたのですが、仲が良いだけではなくて、何か大きなまとまりになってきているなと感じます。

羽根田さん:私も、チームとしてのまとまりが出てきたと感じています。名古屋地域での活動も盛り上がっていて、本当にありがたいです。一方で、気がかりがあって。HUBさんには広域展開という役割を頼んでいて、他の地域でも同様の活動をしていただきたい。そうすると、名古屋地域での活動の継続と、他地域での展開、その両方がHUBさんに押しかかりますよね。その辺りが心配というか、気になっているところではあります。

藤岡:本当に仰る通りで、名古屋地域は名古屋地域で、今私たちには見えていないところで困っている方ってたくさんいらっしゃるはずなので、そういった人たちにリーチしていきたいという思いもあるし、他のエリアにもニーズがあるということは私たちも強く認識しています。でも、どっちの地域にも⼈が必要ってなると、組織としてもかなり大きくならないといけないので、やはりそうした持続可能性は、しっかり考えていかなきゃいけないテーマだと、今話し合っているところです。

栗木さん:HUBさんの活動は地域との繋がりがすごく重要ですよね。同じ人が兼任で、名古屋にいながら他の地域でもっていうのは難しいだろうなと思います。

藤岡:そうなんですよね。そこの地域で活動している専⾨家の⽅、お医者さんとか弁護⼠さん、他にも⾏政の担当窓⼝の⼈、ケースワーカーさん、保健師さんとか、本当に色んな⼈たちにご協力いただいているおかげで、お⺟さんをサポートできるっていうのがあるので、そういった部分も大きな課題だなと思っています。

<羽根田さん、栗木さんがお話されている様子>

この後しばらく、どうやったら今の活動を他地域展開してゆくゆくは全国に広げていけるか、みんなで議論させていただきました。引っ越しやライフステージの変化に応じて生じる住まいの問題など。目の前に迫っている現実的な課題から、ゆくゆくぶつかりそうな課題まで、様々な助言をいただきました。長らく多様なNPOを見てこられたお二方と議論でき、とても有意義な時間になりました。

羽根田さん、栗木さん、改めてありがとうございました!

編集後記

NPOを育てる、一緒に勉強していくというという姿勢を大切にしている羽根田さんと栗木さん。お2人のとても優しい雰囲気と、知識と経験の豊富さやアクティブさには、どこかモリゾーとキッコロを彷彿とさせるものがありました。

インタビューを通してこの3年間を振り返り、設立間も無い時からご助成いただいたことが、HUBのスタートダッシュを支える大きな要素であったことは言うまでもありません。しかしここで満足せず、名古屋はもちろん、他地域でもより多くの当事者さんの力になるべく精進していこうと、再び心を引き締めることができました。

HUBは、2025年1月に法人設立3周年を迎えました。中部圏さんの他にも、沢山の皆さんに支えていただいているお陰で、今があると切に思います。改めまして、皆さんいつもありがとうございます。そして引き続き応援していただけると嬉しいです。4年目のLivEQuality HUBにも是非ご期待ください!

 

 

一般財団法人中部圏地域創造ファンドさんのホームページはこちらから
https://www.crcdf.or.jp/index.html

一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)さんのホームページはこちらから
https://www.janpia.or.jp/

LivEQuality HUBに寄付する
https://livequality.co.jp/hub/donate

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