Back to top
記事一覧に戻る

【イベント報告】ゲスト:濱川知宏さん/第22回コレクティブインパクト勉強会が開催されました
2025年7月17日、第22回コレクティブインパクト勉強会が開催されました。今回のゲストは、一般社団法人Earth Company共同創設者・最高探究責任者の濱川知宏さん。普段はバリ島を拠点に、社会起業家の支援やエシカルホテルの運営などを手がけている濱川さんが、「どう生きるか、どう働くか」をテーマに、じっくりと語ってくださいました。
今回の勉強会は、濱川さんが日本に一時帰国されると聞いたLivEQuality HUB代表・岡本がお声がけさせていただき、開催のおよそ1ヶ月前に急きょ企画したもの。日本で濱川さんのお話を聞ける貴重な機会ということで、全国各地から参加者が集まり、初参加の方も多い回となりました。
話し始める前にカリンバという楽器を鳴らし、「人はちょっと音が鳴るだけで、緊張がほぐれるんですよね」と笑顔を見せる濱川さんに、会場の空気もふわっとほどけていきました。

<左から、濱川さん、岡本。濱川さんが手に持っているのがカリンバ>
まずは、濱川さんのライフストーリーから。ハーバード大学を卒業し、大手投資銀行のインターンなど華やかなキャリアの道を歩みかけた濱川さん。しかし、「なんかしっくりこないな」という思いを抱えていたといいます。

一つ目の原体験となったのは、18歳で訪れたフィジー。電気も水も通っていない村に暮らした際、その村の人たちがとてもあたたかく、「何もないけど全てある」という感覚があったといいます。この「経済的豊かさ」と「心の豊かさ」が必ずしも一致しないという気づきが、濱川さんの“探究”のはじまりでした。
その後、大手投資銀行からのオファーを断り、自分を信じて試すという道を選んだ濱川さん。
中国やアメリカ、インドでの暮らしを経て、初めて正規の仕事を得ることができたチベットが、二つ目の原体験の場所です。チベットのNGOに勤務する中で出会った三歳年上の青年に感銘を受け、「素晴らしい人たちを、見返りを求めることなく、ただただ応援したい(自己超越)」という思いを強くしていきました。
世界各国での挑戦を通じて、「自分はどう生きたいのか」を問い続けてきた濱川さん。特に大きな発見となったのが、「Be-Do-Have」という生き方の順番でした。

「我々はヒューマン“ビーイング”なのに、ずっとヒューマン“ドゥーイング”をやり続けている。それっておかしくないですか?」と濱川さんは問いかけます。
“Do(行動)すれば、Have(成果)が手に入り、Be(望む在り方)を得られる”という社会の前提に違和感を持ち、「まず自分がどう在りたいか(Be)」を大切にしようというこの考え方は、会場でも大きく頷く方がたくさんいました。
濱川さんが続いて問いかけたのは、「あなたの動詞は何ですか?」というもの。濱川さんにとっての動詞は「つなぐ(connect)」で、人と人、団体と団体、点と点をつないでいくのがご自身の役割だと感じていらっしゃるとのこと。
この言葉に、「聞く」や「笑う」など、それぞれが自分の“動詞”を考えはじめ、会場は温かく柔らかい空気に包まれました。
後半では、「豊かさって何だろう?」という問いに対して、濱川さんが大切にしている3つのキーワードが紹介されました。

スロー(Slow):スピードを落とすことで見えてくるものがある
フロー(Flow):大きな流れの中で自然とつながっていく感覚
グロー(Glow):内側から静かににじみ出るような輝き
さらに、英語の「JOY」について、なかなか日本語で適切な訳が見つけられなかったと話す濱川さん。今一番しっくりくるのは、「魂の喜び」だといいます。
スマートに生きることや高速で成果を出すことが求められがちな現代だからこそ、「内側の声に耳を傾けること」「自分の本質とつながること」の大切さを静かに教えてくれるようなメッセージでした。

Earth Companyは、濱川さんとパートナーの明日香さんが2014年に立ち上げた団体で、バリ島を拠点に、「次世代につなぐ未来を創る人を支える」ことをミッションに活動しています。
特にアジア太平洋地域で活躍する社会起業家を「インパクトヒーロー」として毎年1名選出し、3年間にわたって伴走型の支援を行うプログラムは、まさに「素晴らしい人たちを、見返りを求めることなく、ただただ応援したい(自己超越)」の取り組みです。
その他にも、企業や自治体向けの研修事業「インパクトアカデミー」や、サステナブルな価値観を体現するエシカルホテルの運営など、非営利と営利の両軸を行き来しながら、価値ある変化を生み出す土壌を育てています。
今回のトークのキーワードのひとつでもあった「リジェネラティブ(regenerative)」は、日本語では「再生的」「共繁栄」とも訳される言葉。濱川さんはこれを、「一部の誰かだけが得をするのではなく、人も自然も含めた全体が、持続的に豊かになっていく在り方」として紹介してくれました。
ただ共に“生きる”だけでなく、「私たち自身が自然である」という感覚を取り戻すこと。人間と自然、個人と社会、Be(あり方)とDo(行動)を分断せずにつなぎなおす、その営みそのものがリジェネラティブであるという視点は、参加者にも新たな問いや気づきを届けていました。

「何か正しい答えを出そうとするより、自分にとって“しっくりくる”ことを探し続けてきた」と話す濱川さん。その姿勢そのものが、聴いている私たちの中にも「自分のあり方」への探究心を呼び起こしました。
「自分は何者か。どんな存在でありたいか。なぜ今ここにいるのか。その問いこそが、すべての始まりなんです」
今回の勉強会は、「コレクティブインパクト」の枠を超えて、もっと根源的な問い――「自分はどうありたいか?」「なぜこれをやるのか?」――に触れる時間になりました。濱川さんの静かな語り口と、ユーモアあふれるエピソード、そして芯のある言葉の数々が、参加者それぞれの“探究”の火を灯してくれたように感じます。
勉強会の終わりには、「今、自分の動詞はなんだろう?」と立ち止まり、自分とつながり直すような余韻が、静かに会場に広がっていました。
LivEQuality HUBでは、住まい探しに困難を抱える母子に「快適な住まい」と「地域のつながり」を届ける活動をしています。
ご寄付やAmazonほしい物リストからのおすそわけで、ぜひ応援してください。
▼ご支援はこちら
https://livequality.co.jp/hub/donate
▼Amazonほしい物リストはこちら
https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/295JXGOSK5H1Z?ref=wlshare
また、わたしたちの活動についてご紹介する活動説明会も定期開催しています。平日のランチタイムや夜、週末など、さまざまなタイミングで開催していますので、ぜひご都合に合わせてご参加ください♪
▼活動説明会の詳細・お申し込みはこちら
https://forms.gle/3YPmXm1YnP5c8bN6A
今回のイベントのアーカイブ動画が、YouTubeで公開されました!
ぜひ、ご覧ください。