Back to top
記事一覧に戻る

巨大プロジェクトを経て、今も続く優しさのリレー〜寄付者・高橋直夫さんインタビュー〜
今回のゲスト・高橋直夫さんとLivEQuality HUBの出会いは、2022年にLivEQuality HUBが実施したクラウドファンディング。クラファンでのご支援を皮切りに、マンスリーサポーターの登録、Amazonほしい物リストを使った物品寄付、キャンペーンでのご支援など、幅広い形で活動に関わってくださっています。
そんな高橋さんは実は、長年にわたって世界各国でのプロジェクトに携わってきた人でもあります。50年近くサラリーマンとして活躍し引退した今、地域社会や子どもたちへの支援活動に力を入れているといいます。
高橋さんがサラリーマン時代に得た経験と、支援活動に込めた思いとは? そして「優しさのリレー」が、どのようにして人々をつなぎ、社会を豊かにしていくのか。
2024年8月、LivEQuality HUBがサポートするシングルマザー世帯を対象に開催した「流しそうめん大会」に合わせ、たくさんの桃をお届けいただいたタイミングで、インタビューを実施させていただきました。LivEQuality HUB代表・岡本と語り合った対談を、ぜひじっくりとご覧ください!
岡本:本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、高橋さんの自己紹介とご経歴をお伺いできますでしょうか。
高橋さん:こちらこそ、ありがとうございます。横浜在住の高橋直夫と申します。出身は福島県の山あいの町で、中学校卒業と同時に家を出て、いわき市の国立高専で5年間、工業科学を学びました。その後20歳で横浜にあるプラントエンジアリング会社に就職しました。そこで47年、サラリーマンとして勤めたのちに退職し、今は73歳になります。

岡本:その47年間の間、世界各地でのプロジェクトを手がけられたそうですね。
高橋さん:ペルーの仕事で、設計を担当したのが最初でした。その後、インドネシア、サウジアラビア、リビアなどでプロジェクトを担当しました。結果として40年弱、海外に住んでいましたが、そのうち15年が家族と一緒で、残りが単身赴任です。家族と一緒に行くところは、香港、シンガポール、インドネシア、サウジアラビアなど、住環境が整っているエリアです。逆に単身赴任は大体、家族連れではいけない場所が多いんです。砂漠に囲まれた何もないところとか、いろんな動物が出てくるようなジャングルの中とか。そういうところで、いわゆる生産設備やガス処理施設など、プラントの建設にずっと携わってきました。
岡本:海外でのプロジェクトでは、高橋さんはどんな役割を担っていらっしゃったんでしょうか。
高橋さん:私たちの仕事は規模が大きく、絶対に1社ではできないものです。そのため、例えばアメリカ、フランス、イタリア、イギリスなど、外国の同業種の会社と一緒にやる、いわゆるジョイントベンチャーというスタイルが多いんですね。大きな仕事を4つに分けて、そのうち1つずつを担当して、最終的にはみんなで責任を負って納めるという形です。

高橋さん:私はサウジアラビアに15年間住んでいたこともあり、世界最大の石油会社のプロジェクトを数多く手掛けました。長年の経験から信頼を得ていたので、会議の議長など、顧客の代わりにプロジェクト全体をまとめる役割を担うことがよくありました。
岡本:そのサウジアラビアでの経験がNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも特集として取り上げられたんですよね。実際に出演された感想はいかがでしたか?
高橋さん:とても貴重な経験でした。NHKのクルーが5週間も現場に滞在し、業務や日常生活を追いかけてくれたんです。ただ、最初はちょっとビビりましたね。放送があった1月の第1週がイチロー選手、2週目がお寿司で有名なすきやばし次郎さん、 3週目が坂東玉三郎さんで、4週目が私でしたから。当時、あの番組でサラリーマンが取り上げられることは非常に稀で、私で2人目だったんです。結果的には、身近な人がこんなことをやってるんだということが広く見てもらえて、良かったと思っています。
岡本:海外でのプロジェクトを通じて、多くの国で異なる文化や価値観を持つ人々と仕事をしてこられましたが、どのような信念を持って取り組んでいたのでしょうか。
高橋さん:常々、岡本さんに対しても同じ姿勢じゃないかと感じてるんですけど、やっぱり「優しさ」が鍵だと思います。「お前これやれ」、「なんでこれ終わってないんだ」みたいなスタイルでは、絶対に仕事は良くなっていかない。だから、色々言いたいことがあったとしても、まずはこっちが相手を助ける。その姿勢を大切にしています。
岡本:確かにそうですよね。本当に今、私もお話を伺いながら改めて感動していたんですけれども、高橋さんが元々お持ちの優しさっていう部分と、チームを大切にする部分、さらにベースとしてのご経験と知識と胆力が組み合わさってのことだと思いました。そうした姿勢が役立った具体的なエピソードがあれば教えていただけますか?
高橋さん:リビアでのプロジェクトがその典型例ですね。当時、イタリアのパートナー企業が関わっていたプロジェクトが大幅に遅れていたんです。そこで私が呼ばれて、プロジェクト全体を立て直す役割を任されました。過去の経験を活かして、まずはプロジェクトを細かい単位に分け、計画を作り直し、各項目を毎週管理して、どこに問題があるかを見極めて修正していきました。

高橋さん:その中で、韓国の下請け業者が2か月遅れの計画を出してきたんですが、私の経験から見て、その計画は現実的ではありませんでした。そこで私は、彼らに3ヶ月遅れた計画を作るように指示しました。普通、そんなことを言うお客さんはいません。この部分については無理せず現実的な計画を作り、他の部分で効率化を図ることで、チーム全体が円滑に進むように調整したんです。最終的に、プロジェクトは無事成功して約束の日にガスを届けることができ、イタリアのパートナーとも強い信頼関係が築けました。
岡本:相手を理解し、助けることで、信頼が深まるということですね。
高橋さん:そうです。相手を助けると、助けられた側も必ずそれを覚えていて、そのうち心を開いて話を聞いてくれます。ちょっと回りくどいようだけれど、そうやってチームビルディングをしていかないと、大勢の人でやる仕事はうまくいかないんです。
岡本:高橋さんがLivEQuality HUBを知ったきっかけと、共感したポイントがあれば教えていただけますか?
高橋さん:LivEQuality HUBを知ったのは偶然でしたが、やっておられることの基本に「優しさ」があると私は受け止めました。まず、母子家庭を助けようという命題そのものが、非常にハードルの高い分野だと思うんです。岡本さんが建設会社を承継されていたから、そのうち一番難しい住まいに挑戦できたんだと思いますが、普通の人はちょっと手をこまねいて 手をつけない分野です。だから最初は「こんなことに取り組んでいる人がいるんだ」という驚きがあり、同時に自分も何か力になりたいと思いました。
岡本:今回、流しそうめん大会にもゲストボランティアとしてご参加いただき、ありがとうございました。ご感想等ありましたらお聞かせいただけますでしょうか。
高橋さん:一番よかったなと思うのは、子どもたちがたくさん来て、子どもたち同士で水鉄砲をやったり、そうめんを食べたりしている姿を見られたことですね。 まだ一歳にもならないちっちゃな子が、そうめん美味しいってのがわかって、どんどん食べてたり。楽しいっていうのが、子どもたちの笑顔から伝わってきたのが印象に残りました。

<2024年8月の流しそうめん大会で、水鉄砲を使った射的コーナーをサポートくださる高橋さん。左はインターン生・かほちゃん>
高橋さん :さらに、皆さんがいることによって生活が成り立って、 もう一度生きる希望を持っておられる家族がたくさんいらっしゃることを、そういう家族の存在を目の当たりにしたことも大きいです。LivEQuality HUBの活動が非常に価値あるものだということを、改めて感じました。
岡本:引退後も地域社会で活動を続けていらっしゃるとのことですが、どのような取り組みをされているんでしょうか?
高橋さん:町内会長として、地域のために様々な活動をしています。防災対策や地域の子どもたちの安全確認、さらには地域イベントの企画・運営などです。
岡本:子どもたちのためにラジオ体操をされたりもしているんですよね。
高橋さん:それが、ジュースとかお菓子とかのお土産を用意しないと集まりが悪いんですよ。だから楽しんで来てもらえるように色々工夫しています。ちっちゃい子が成長していくのを目の当たりにできるのが良いですね。「あれ、あの子もうこんな大きくなったの」みたいな。

高橋さん :あとは、町内の歩道に広がった垣根を刈ったりもしています。子どもが車道を歩いていて危ないと言ったら、結構、皆さん協力してくれて。最初は抵抗もないわけじゃなかったんですけど、一人がやりだすと徐々に参加が増えて、垣根をきれいにすることができました。ちっちゃなことなんだけど、交通事故だ、水難事故だって子どもたちの事故の話を聞くと、本当に悲しいですから。「やれることはとにかくなんでもやろう」というのが、私がいつも町内会のメンバーに話しているメッセージです。
岡本:国際NGOやスタートアップなど、幅広い対象に支援されている高橋さんですが、LivEQuality HUBへの支援にあたり、期待されていることはありますでしょうか。
高橋さん:やっぱり、一人でも多くの方のサポーターを獲得していく活動を続けていってもらいたいです。LivEQuality HUBのような組織は、数多くの人が少額でもいいから寄付してくれて、多くの人に支えられる形にすることが、やっぱり継続性と組織の強さという意味では一番強いものになると思います。だから、それを邪魔するようなことはしたくないなっていう気持ちがずっとあったんですよね。

<流しそうめん大会のときの記念写真。右は居住支援コーディネーター・神(じん)>
高橋さん:7月に寄付をしたのは、 たくさんの家族が急に増えたという連絡をいただいたからです。緊急時など、「困った時があったらいつでも言ってね」と事務局のスタッフにも伝えています。同時に、組織がより強くなって、継続的にそういう方々のサポートできるように育っていってほしいという期待を持っています。
岡本:ありがとうございます。非常に重要なポイントをおっしゃっていただきました。高橋さんが、LivEQuality HUBと一緒にこんなことをやれるといいなと思っていらっしゃることがあれば、教えていただけますか。
高橋さん:皆さんがやりたいようにやってるものを、周りをうろうろしながらサポートしたいなと思っています。若い人が自分の頭で考えて、自分で失敗して、自分で工夫して、 自分のアイデアを作っていってもらいたいんです。我々がしのごの言うのは、相談された時だけにしたい。

高橋さん:というのは、私自身、先輩のアドバイスで役立ったものも当然たくさんあるんですけど、 結局、自分で失敗して自分で工夫したものしか残っていないんです。だから、致命的な失敗は困るけれど、 ある程度の「これちょっとまずかったかな」っていうような体験も身になるんで、それを自分で考えて、 自分でやったんだけど、なんかうまくいかなかったなっていうこともよく体験していただいて、成長していただきたいなと思ってます。
岡本:私も含めてチーム全体のメンターのような存在として高橋さんにいていただけることは、本当にありがたいです。
高橋さん:また、今回の名古屋訪問を通して、皆さんの活動が意義のあるものだということを、改めて感じました。ぜひとも自信を持って進んでいただきたいと思っております。
岡本:素晴らしいインタビューの機会を、本当にありがとうございました!
長年にわたって世界中でプロジェクトを成功させ、現在も地域社会や子どもたちのための活動を続ける、高橋直夫さん。高橋さんが紡ぐ「優しさのリレー」は、まさに人と人をつなぎ、未来に向けての大きな力となっています。高橋さんの言葉と行動から、改めて支援のあり方や人とのつながりの大切さ、組織として成長することの重要性を学ばせていただきました。
https://www.nhk.or.jp/professional/2008/0129/index.html
認定NPO法人LivEQuality HUBでは、困難な状況に置かれてしまった女性と子どもの暮らしに伴走するためのご寄付を随時受け付けております。皆さまからの応援が大変励みになります。(当団体は名古屋市から指定を受けた「認定NPO法人」です。認定NPO法人へのご寄付は、寄付金控除の対象となります。)
https://livequality.co.jp/hub/donate/other/houjinp
ご寄付以外にも、社会人ボランティアや物資提供、チャリティイベントなど、様々な形でご一緒できる法人を募集しております。私たちと一緒に、社会をより良い方向へ導くための仲間として、ご紹介を心からお待ちしております。
https://livequality.co.jp/hub/donate/company
お住まい探しにお困りの方はこちらからお問い合わせください。