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【イベント報告】ゲスト:TSURUMIこどもホスピス水谷綾さん/第17回コレクティブインパクト勉強会が開催されました
2024年10月4日、第17回コレクティブインパクト勉強会「日本初のこどもホスピスから学ぶ、大きな理想の実現の途上で」が開催されました!
今回のゲストは、TSURUMI こどもホスピスゼネラルマネージャーの水谷綾さん。
会場はお馴染みの名古屋のオアシス、久遠寺さんをお借りしました。地域で母子支援に携わる団体・機関の方々や、学校関係者、弁護士、デザイナー、企業の方など、幅広い層の方にご参加いただきました。

TSURUMIこどもホスピスは、2016年に大阪市鶴見区の広い公園内にオープンしました。日本では「ホスピス」というと、一般的に医療施設と結びつけられることが多いですが、TSURUMI こどもホスピスはそれとは異なり、地域に開かれたコミュニティ型の施設です。ここでは、生命を脅かす病気に直面している子どもたちとその家族が、日常の中で過ごすような居場所を提供しています。病気と向き合いながらも、子どもたちが遊びや学びを楽しめる環境をつくることにより、彼らの「今」を支えることが大きな目的です。
このホスピスのもう一つの特徴は、完全寄付型で運営されている点。開設には6億円近くの資金がかかり、年間1億円以上の運営費が必要とされていますが、行政の枠組みにとらわれることなく、寄付によってその資金を賄っています。その背景には、支援を必要とする子どもたちや家族に、より自由で多様な選択肢を提供したいという思いが込められています。
TSURUMI こどもホスピスの運営は、寄付を募る形で成り立っています。そのため、資金の確保が常に課題となります。一般社団法人としてスタートし、その次は公益社団法人を目指したものの、「こどもホスピス」という取り組み自体、前例がないのでハードルが高いチャレンジ。そのチャレンジにゼネラルマネージャーとして向き合ったのが「寄付を通じて、多くの人がホスピスの理念に共感し、仲間になってくれるのが何よりも嬉しい」と話す、水谷さんです。
水谷さんは、TSURUMIこども ホスピスのゼネラルマネージャーとして活躍する前、大阪ボランティア協会で19年間にわたり市民活動支援に携わっていました。実は、そこでの経験が、ホスピスの立ち上げにも大いに活かされています。市民活動の現場で培った「地域に根差した活動」や「人と人とをつなぐ力」を基に、ホスピスのコミュニティづくりに取り組んでいるのです。
水谷さんがホスピスに参加したのは、建物と場所が確保されたタイミングでした。当初は一般社団法人としてスタートし、3年半かけて公益社団法人の認定を取得。この過程で、ミッションやビジョンの言語化を丁寧に行い、「TSURUMI こどもホスピスのホスピスケアとは何か」を具体化していきました。「社会に新しい選択肢を提供することが私たちの役割」と強く語っている姿が印象的で、その実現に向けて邁進しています。
TSURUMI こどもホスピスが大切にしている理念は、「子どもたちが今を生きる」ことを支えるということ。水谷さんは、病院とは異なる形で、子どもたちが日常を取り戻せる場所を提供することが重要だと考えています。例えば、友達と遊ぶ機会や学校に通うことが難しい子どもたちに対して、ホスピスは「その子らしさ」を大切にしたケアを提供しています。
印象的だったTSURUMI こどもホスピスの取り組みの一つが「Lovin’ you Day」。これは、亡くなった子どもたちを偲び、スタッフが想いを寄せる日です。最初はスタッフのみで始まったものの、遺族の声を受け、今ではオープンなイベントとしても開催されています。このような温かい活動を通じて、亡くなった後も家族とのつながりを大切にしている点が、このホスピスの特徴の一つです。
こうした活動を通じて、TSURIMI こどもホスピスは子どもたちとその家族の居場所であり続けることを目指しています。
大阪でスタートしたホスピスの取り組みが、他の地域でも共感を呼び、全国各地で、こどもホスピスを立ち上げたいという人たちが次々と現れています。
イベント当日は愛知こどもホスピスプロジェクトのメンバーもご参加くださり、活動についてご紹介いただきました。
愛知こどもホスピスプロジェクトは2023年4月にNPO法人を設立し、「存分に生きるを、一緒に。」を理念に、場がなくてもできる小児緩和ケアの活動を病院の内外で実施されています。来年、認定NPOを取得し、2026年にホスピスを設立することを目指しています。
NPO法人愛知こどもホスピスプロジェクトのwebサイト
https://www.achp.jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
水谷さんは、今後のTSURUMI こどもホスピスの目標について、「普遍化する取り組みを進めていきたい」と語ります。こどもホスピスが特別な存在ではなく、どの地域でも当たり前に受け入れられる社会を目指し、活動を続けていく考えです。また、ホスピスの運営を可視化し、他の地域でも同様の取り組みができるよう、オープンソース化する計画も進めています。
「こどもホスピスが求められるのは、子どもたちへのケアだけでなく、大人たちの生き方を問い直す機会でもある」と述べ、ホスピスを通じた社会変革の意義を語る水谷さん。これは、支援者や地域社会にとっても、新たな視点を提供するメッセージです。このビジョンには、子どもたちの命を支えるだけでなく、社会全体をより優しい場所に変えていく力強い思いが込められています。

第17回コレクティブインパクト勉強会を通じて、水谷綾さんとTSURUMI こどもホスピスの取り組みについて深く知ることができました。ホスピスが掲げる「子どもたちの今を支える」という理念と、それを支える寄付や地域の協力の大切さ。水谷さんの言葉からは、未来に向けた強い意志と、その実現に向けた温かい心が伝わってきました。今後もTSURUMI こどもホスピスが社会に与える影響に注目していきたいと思います!
TSURUMI こどもホスピスのwebサイトはこちら
https://www.childrenshospice.jp/