Back to top
記事一覧に戻る

母子を支える支援者の輪を広げたい!福岡県への視察報告 第1回
こんにちは!認定NPO法人LivEQuality HUB(リブクオリティハブ)です。
私たちは現在、名古屋市で主に活動しています。しかし実は日々全国から相談をいただいています。首都圏や関西、海外など、県外のご相談もとても多く、市外在住の方からの問い合わせは、全体の約半数(2023年3月末時点)に上ります。
背景には、DV避難を決めた/している方の場合、元パートナーと鉢合わせないよう、あえて前居住地から遠く離れた場所に引っ越すことを希望されるといったこともあります。
一方、支援の観点で言えば、名古屋市外や県外への転居など、私たちが直接的に支援を続けることができない場合もあります。そうした場合、ご希望の地域の支援団体さんを探してご紹介したり、お繋ぎしたり、といった支援をしています。
そして逆に、市外の支援機関さんから「リブクオリティハブさん、この方の支援をお願いできませんか」と言ってご紹介いただくこともあります。
そのため、日頃連携させていただいている市内の支援団体さんだけではなく、相談者さんをお繋ぎする先の市外・県外の支援団体さんとの繋がりもとても重要なのです。
様々なニーズに対応し、お困りの相談者さんが安心して新生活を迎えられるようにしたい。そういった思いから、私たちは2023年11月に、令和4年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業を受けて、福岡県の支援団体を3日間にわたり視察させていただきました。
福岡県では、長年居住支援に携わっている団体や全国的に著名な産前産後ケア施設などが多数活動しており、今後の私たちの活動のヒントも詰まった地域だと考えました。
折角の機会ですので、この視察で私たちが学んだことを少しでもシェアさせていただきたいと思い、全3回にわたり記事を掲載します(特記事項がない限り、以降の掲載情報はすべて2023年11月現在の情報です)。
福岡空港に降り立った初日。私たちは福岡県久留米市にお邪魔しました。
久留米市は、福岡県内では福岡市、北九州市に次ぐ人口第3位の都市で、約30万人が暮らしています。65歳以上の高齢化率は全国平均を僅かに下回る(地域医療情報システム「地域別統計」)ものの、着実に高齢化が進んでおり、高齢者の住まいの問題は深刻です。
そうした高齢者や障害者、子育て世帯など、住宅の確保が難しくなりやすい方々を支援するため、各都道府県は「住宅確保要配慮者居住支援法人(以下、居住支援法人)」を指定しており、指定された居住支援法人が住まいに関する情報提供・相談や生活支援をすることで、住まいの確保を支援しています。
しかし居住支援法人は、久留米市には現在3団体のみ(福岡県「居住支援法人の一覧」)です。
(参考)福岡県の居住支援法人はこちらより検索できます:https://fukuoka-kyojushien.jp/
こうした住まい確保に困難を抱える人の支援に、行政と緊密な連携を取りながら、居住支援法人として取り組んでこられた株式会社ホームアシスト福岡の田中さん、また、市の委託事業を受けながら住まい確保支援に取り組んでいる一般社団法人くるめ住まいサポートの桝田さんにお話を伺いました。
株式会社ホームアシスト福岡さん
一般社団法人くるめ住まいサポートさん
今後、高齢化が急速に進む中で高齢者の住宅問題はより深刻になると考えた田中さんは2018年に会社を立ち上げ、居住支援法人として福岡県の指定を受けました。その後、積極的に居住支援の重要性を行政に訴え、行政との連携を着実に続けてこられ、2020年には一般社団法人くるめ住まいサポートも立ち上げました。
市の福祉部局と連携を取りながら現在、くるめ住まいサポートでは、桝田さんを中心に年間100件近くの定期的な見守りを続けながら、制度の狭間を埋める緊急的な支援を自社でどうできるかと考えていらっしゃいます。
お話を聞きながら、こうした制度の隙間を埋める柔軟な支援は、寧ろ民間の支援団体のほうが得意かもしれないという思いを強くしました。私たちも、行政だからできること、その上で民間の支援団体ができることは何かを日々考えながら、相談者さんの困り事を解決するための方法を探っていきたいと思います。

*向かって右から田中さん、桝田さん、青木、神、藤岡
久留米市は、就学援助率が全国平均と比べて、約1.8倍と高く(久留米市「久留米市子どもの貧困対策推進計画」)、子どもの貧困は深刻な課題です。
そうした「貧困」に向き合い、同じく久留米市で、草の根団体として活動し、様々な境遇を抱えた家族が集う「じじっか」という拠点を運営されている一般社団法人umau.さんにお邪魔しました。
一般社団法人umau.さん
https://umau-llc.localinfo.jp/
一般社団法人umau.さんは、2014年に様々な経験を有するシングルマザーの当事者が集まる母子支援団体からスタートしました。「貧困」を活動のテーマに掲げ、単に経済的に困窮しているだけではなく、様々な要因が複雑に絡み合う「貧困」から脱却するためのアプローチとして「血縁がなくても支え合う」新しい生活のスタイルを築くため、尽力されています。
現在は全7事業を展開しており、その中でも「実家よりも実家に近い」をコンセプトに運営されている「じじっか」は、なんと0歳から86歳までが通っています。昼は30~50食、夜は100~180食もの食事が作られるほど。
赤ちゃんを抱えたお母さんが訪れたときはその場にいる人が代わる代わるお世話をしたり、軽度の障害を抱えた方も一緒にご飯を作ったりと、参加者もスタッフも垣根なく、その時にできることをできる人が協力する。誰が来ても断らない。そんな場の運営だそうです。
今回は活動日でないにもかかわらず、無理を言ってお邪魔させていただいたので、実際の様子を見ることは叶いませんでした。
しかし、私たちの相談者さんの多くも、DV被害を受けていたり、実の両親から虐待を受けた経験があって関係性が断絶していたりと、パートナーも両親も友人も頼れない、頼る先が限られた方々です。そういった中で、安心してお話したりご飯を食べたりできる居場所があることはとても心強いだろうと思います。
そして参加者もスタッフも地域の人も行政の人もどんどん巻き込むコミュニティマネジメントの姿勢、チームビルディングに感銘を受けるばかりでした。

*所狭しと絵本やおもちゃが並ぶスペースの一角
1日目は、行政と緊密に連携を図りながら進める「居住支援」と、草の根で精力的に活動している「居場所」を中心とした団体さんにお話を聞かせていただきました。
一見すると、異なるアプローチ/異なる分野で活動をされているようにも思えますが、公的な支援制度からこぼれ落ちた人たちを、行政と連携しながら、様々な人を巻き込みながら支援するという姿勢は非常に共通しているものを感じました。
翌日2日目は、子ども・若者支援の団体さんを視察させていただきました。
ぜひこちらもご覧ください!