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統計から見る名古屋市の母子家庭(収入編)
LivEQualityでは日々、経済的に困難な状況にある方や様々な事情により住まいを探すことに困難を抱えた方からの問い合わせをいただいております。
このシリーズでは、その日々の状況から一歩下がって、様々な軸で課題の全体像を各種統計情報から捉えられたらと思います。
数字にすることで、分類され、平均化され、結果、本当に困っている人が隠れてしまうということは理解した上で、敢えて数字を見ることで、課題の枠組みを感じるとともに、課題を身近に感じてもらえたら幸いです。
また、本記事では数字を身近に感じてもらうために執筆者の解釈を入れています。一つの数字からの解釈は様々です。また、数字からは読み取れないことはたくさんあります。是非読者のみなさんには、ご自身で数字を観察し、他の情報と組み合わせ、解釈を深めていただけますと幸いです。
前回の記事で、母子家庭/シングルマザーになった当時の困りごとベスト5を紹介しました。

一番の困りごとは生活費についてです。ただ、どんな家庭であってもお金は悩みの種の上位に来るかと思います。それと、どのように状況が異なるのでしょうか?
まずは母子家庭/シングルマザーの年間収入を見てみましょう。この数字は就労収入だけでなく、手当や養育費等も含む収入です。

目立つのは「0円」の層。10人に1人以上はお母さんと子が1人以上いる状態で収入が0円ということを意味しています。
同じ数字を累積のグラフで見てみましょう。

半分近くの母子家庭/シングルマザーが年間収入250万円未満、月換算すると月収20万円程度未満、ということになります。例えば家賃を6万円とすると残るのは14万円。そこに1人(もしくは2人以上)の教育費が入ります。とても貯金できる状態ではありません。
ただ、今まで就労していなかったお母さんが、突然働かざるを得なくなり、子どもを育てながら20万円稼ぐ、というのはなかなか難しいのではないでしょうか?
当然ながら高い収入を得ている母子家庭/シングルマザーも一定数います。ただ、平成30年の「国民生活基礎調査(厚労省)」によると、児童のいる世帯の中央値は663万円(全国)。母子家庭/シングルマザーの中央値が250万円周辺というのは、かなり低いといって差し支えないかと思います。
収入の内訳をみてみましょう。

多くの人が行政からの手当てなどを受けているようです。
また、養育費を元配偶者より受けているのは全体の28%。「28%もいる」のか「28%しかいない」のかは感覚が分かれる部分かもしれません。
その他、同居している親や子どもなどの収入も得ている人が23%います。
また、20世帯に1世帯(5%)が生活保護を受給しているようです。
年齢が上がることで、就労年数も上がり、また、子どもが自立することでより働ける時間ができます。そのため、年齢により収入は変わっています。
まずは参考に、以前にも紹介した母子家庭/シングルマザーのお母さんの年齢を再掲します。

次に、年代別の就労収入です。

30代までの平均就労収入は20万円を切っています。また、50代以下では月20万円を切っている人がその世代の6割以上となっています。
家計の状況に関するアンケートの結果は以下の通りです。今までの数値で分かるように、もちろん苦しいと答える層は多いのですが、問題はどのような理由で苦しいのかです。

収入面では給料・養育費・各種行政機関による手当が上位を占めています。3人に1人は給料の少なさに悩んでいる状況です。
収入面より悩みが大きいのは支出のようです。ほぼ半分の方が子どもの教育費について、課題を抱えています。教材費や習い事、学童など、様々なお金がかかる子育て。それをワンオペで仕事と両立させるのは非常に困難です。
今まで就労経験が男性と比べて少なかった方が、子育てと仕事の両立をしながら、収入を増やしていくというのは限界があります。そして、何とか収入を増やそうとすると大切な子どもとのコミュニケーションの時間が減っていきます。そういった様々な要素が絡み合って「貧困の連鎖」と呼ばれる状況が起こっているのではないでしょうか?
いかがでしたでしょうか?
母子家庭/シングルマザーがかなり厳しい状況の中奮闘していることが数字から感じられるかと思います。この状況に突然陥った時、あなたは冷静に対処し、よりよい生活に向かって動き出すことができますか?この不安な状況の中で立派に子育てができる人がどの程度いるでしょうか?
母子家庭のお母さん、そしてその子どもに対して、経済的支援を社会全体で行うことはとても大切なことだと、筆者は感じました。