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統計から見る名古屋市の母子家庭(母子家庭になった時の課題編)
LivEQualityでは日々、経済的に困難な状況にある方や様々な事情により住まいを探すことに困難を抱えた方からの問い合わせをいただいております。
このシリーズでは、その日々の状況から一歩下がって、様々な軸で課題の全体像を各種統計情報から捉えられたらと思います。
数字にすることで、分類され、平均化され、結果、本当に困っている人が隠れてしまうということは理解した上で、敢えて数字を見ることで、課題の枠組みを感じるとともに、課題を身近に感じてもらえたら幸いです。
また、本記事では数字を身近に感じてもらうために執筆者の解釈を入れています。一つの数字からの解釈は様々です。また、数字からは読み取れないことはたくさんあります。是非読者のみなさんには、ご自身で数字を観察し、他の情報と組み合わせ、解釈を深めていただけますと幸いです。
女性の社会進出に関する問題でたびたび話に上がるのが学歴と就業について。まずは学歴について見ていきましょう。学歴は母子家庭になるかどうかに影響はあるのでしょうか?

左が母子家庭のお母さんの学歴、右が名古屋市に住む女性の学歴ですが、これを見る限り、学歴は母子家庭かどうかに影響を与えているとは言えなさそうです。 学歴という観点のみで見ると、どのような育ちであっても、平等に母子家庭になる可能性は変わらないようです。
後述しますが、母子家庭になる原因で最も大きいのが「離婚」です。離婚のトレンドはどうなっているのでしょうか?

婚姻率は約40年間、徐々に減少の一途をたどっています。離婚率は1980年から2000年頃まで、徐々に上昇していきました。それ以降、徐々に減少をしているようです。
前回、母子家庭のお母さんの現在の年齢は紹介しましたが、大体何歳の頃に母子家庭となったのでしょうか?

現在の年齢同様、幅広く分布をしているようですが、約半数が30代のようです。
次に、母子家庭になった背景を見ていきます。

一番多いのは、「離婚」です。しかし、その他の理由も一定割合を占めているようです。同じ数字を年代別比率で見てみましょう。

歳を経るほど病気による死別、それによりひとり親になったという方が増えます。
また、10代から20代にかけては「未婚の母」が約20%~40%以上を占めるようです。
母子家庭になった当時の子どもの年齢です。

3歳未満でほぼ半分、未就学児で6割以上を占めています。まだ子どもをひとりにできない年齢で、突然母子家庭となり、仕事と子育てをひとりでやりきらないといけない苦労は想像以上かと思います。さらに、ここに出ている数字は「最年少の子ども」の年齢。ふたり以上の子どもを育てながらの両立はさらに大変でしょう。
母子家庭になった時に困ることはなんでしょうか?

やはり圧倒的に多いのが「生活費」について。これから入学準備など子供へのお金もかかる時期に、突然収入が半分以下などになると当然困ります。仕事については次に示しますが、その他に高いのがメンタル面。母子家庭の中には家庭内暴力を受けたことにより離婚に至ったケースも多くあります。そのような方は精神的なショックに加え、突然の生活の変化によって精神的に不安定になる傾向にあります。
そして、LivEQualityで最もサポートしている住居のことです。
これを見ると、私たちの事業で、住居だけを提供することは彼らの課題解決を部分的にしかサポートできないといえるかと思います。住居の支援だけでなく、就業先の紹介や家計支援など複合的なサポートが大切となってきます。
困りごとの中でも上位に位置していた仕事の問題。ここにはひとり親だけでなく、社会全体の女性の社会進出に関する問題があります。

母子家庭になった当時、専業主婦などで仕事についていなかったお母さんは全体の約4割を占めます。これは、愛知県の女性の就労率と大きく変わりません。
就業経験がない、もしくはブランクがある場合、勤労によって得られる収入は低くなってしまう傾向にあります。
女性の社会進出が社会的に遅れているために、母子家庭の問題が深刻化している、とも言えそうです。
いかがでしたでしょうか?筆者は、母子家庭になるタイミングにおいて、あまり特徴がないのが特徴のように思いました。
今まで他の人たちと何も変わらず生活をしていたところ、ある時突然母子家庭になってしまう。
そんな中でも子どもの成長は待ってくれない。
その時に、収入や時間の使い方、仕事などを一気に考え直し、動かなければいけない。
そのプレッシャー、ストレス、逆境が社会課題を生み出しているように思いました。
あなたはこの数字をどのように見ますか?少しでも社会課題が身近になれば幸いです。