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秘訣は「ご機嫌でいること」!楽しみながら得た繋がりを、困っている人に循環させるー久遠寺住職・認定NPO法人おてらおやつクラブ理事 髙山信雄さんインタビュー【後編】

こんにちは、認定NPO法人LivEQuality HUB(リブクオリティ・ハブ)です。

地域でシングルマザーやひとり親をサポートしている方々をご紹介する企画「地域のひと」インタビュー。今回は、久遠寺(くおんじ)住職・認定NPO法人おてらおやつクラブ理事の髙山信雄さん【後編】をお届けします。

前編の記事では、髙山さんとおてらおやつクラブさんのご活動のご紹介、おてらおやつクラブに参画したことで起こった変化、LivEQuality HUBとの出会い、髙山さんとLivEQuality HUBが一緒に企画・運営しているイベントへの思いについて、お話しいただきました。

お寺の近くの飲食店オーナーさんたちと一緒に「新栄祭」を実施されるなど、日ごろから様々な方と関わり、出会った人たちと一緒に楽しいことを生み出されている髙山さん。今回の記事では、髙山さんが普段、人と関わるときに意識されていることや、髙山さんにとっての「繋ぐこと」についてお伺いします。

信頼があるからこそできる、お寺が持つ「つなぐ」役割

藤岡:こどもえんにちでは、私たちLivEQuality HUBが当日のボランティアさんの募集を担いましたが、普段は、髙山さんに繋いでいただくことが多いように感じています。例えば、諭吉のからあげさんをはじめ、心ある企業さんを髙山さんに繋いでいただいたり、逆にLivEQuality HUBが捌ききれない量のおすそわけをいただいたときに支援団体さんにお渡しいただいたり、髙山さんがすごく「ハブ」になってくださっています。普段から、「繋ぐ存在」になろうと、意識的に取り組まれているのでしょうか。

髙山さん:これは「意識していてほしい」っていう質問だと思うんだけど(笑)、実は、あまり意識はしていなくて。

髙山さん:でも、いろんな人が集まる場所であるお寺には、元々「つなぐ役目」があると思っています。集まった人たちのステータスを把握しながら、困っている人と助け合えるように繋いでいくことは、古くからお寺が行ってきたことです。例えば、調子が悪い人にお医者さんを紹介するにしても、お寺と双方との信頼関係ができているから、繋ぎやすいですしね。

久遠寺では、ひとり親家庭の子どもたちに向けて活動していることを提示しているので、思いもよらないところからお話をいただくことがあります。「子どもたちに唐揚げをあげたいんだけど」とか。僕がすることは、じゃあ、どこにおすそわけしていこうかなって考えるだけなのですが、なんかやりたいって声をかけてもらった時に、それが実現できそうな窓口があれば、繋ぐようにしています。

ただ、求めてないものを繋げちゃうとか、余分なものまで来ちゃうとか、そういうことはなるべくしたくないという思いがあります。だから、必要なものを届ける、繋ぐということを常に意識しています。

人と関わるとき、意識していることは「常にご機嫌でいること」

藤岡:以前、LivEQuality HUBの寄付者さん向けのイベントを、久遠寺さんで開催させていただきました。髙山さんのお話と、おてらおやつクラブさんのおすそわけの発送ボランティア体験がセットになったイベントは、寄付者のみなさんに好評でした。

<LivEQuality HUBの寄付者さん向けに行った、発送ボランティアのときの写真。参加者のみなさんが、おすそわけを選び箱に詰めているところ>

藤岡:また、LivEQualityの居住者さんやスタッフが発送ボランティアに参加させていただいたこともあります。髙山さんは、その人の属性ー「寄付者」「支援者」「被支援者」だとかいうことに関係なく、どんな人に対しても変わらず接して、その人にとって気持ちいい形、やりやすい形で巻き込んでいくのがすごいなと思います。普段からいろんな方と関わる機会が多いかと思いますが、人との関わり方で意識されていることはありますか。

髙山さん:もうね、これも「意識してない」って言ったらダメな感じだけど(笑)。

髙山さん:僕が意識してることは、「常にご機嫌でいよう」です。普段、お参りで訪問するのはご高齢の方のお家が多いんです。僕がその方たちにお会いする機会は1ヶ月に1回しかないんだけど、 それ以外、じゃあ誰と人と話してるかって言うと、わからないんだよね。もしかしたら、そんなに喋ってないかもしれなくて。扉を開けた瞬間から、明るく「おはようございます!」みたいなテンションでいくと、おじいちゃんおばあちゃんたちは心も開いてくれるし、次を楽しみにしてくれます。そんな時間があることで、生活自体にもちょっと張りが出るんじゃないかって勝手に思っています。

だから、なるべくいつもご機嫌でいようと。ご機嫌じゃない人と会うと、ちょっと気分悪いじゃないですか。なんでこの人機嫌悪いんやろうとか。そういうのは自分はしたくないなと思います。

おてらおやつクラブの発送会で心がけていること

<こどもえんにちで使うボールプールを準備している髙山さん>

髙山さん:あと、おてらおやつクラブの発送会の時は、僕が衣を着ているとキュッとかしこまってしまうと思うので、ニット帽にジャージで参加するようにしています。「こんな格好でごめんね」って言いながら。そして初参加の人がいるときには必ず声をかけながら、どんな気持ちでやっているか伝えたり、楽になってもらうようなお喋りをしたりする感じです。

「今日寒いね」って言いながら、「寒いけどこうやって 色々みんな入れてってくれると、こん中はあったかいかもしれないよ」みたいな話をしながらやっていく。そうすると、単純作業なんですけど、単純作業だからこそ気持ちが乗せやすいというか。

僕の役割は詰めやすい段取りをすることと、ご機嫌でいること。僕がご機嫌でいることで、みんなにちょっとでもご機嫌になってもらって、そのご機嫌具合を、おすそわけの箱に詰めてもらいたい。それがいろんな人の手に渡っていって、開けた時に、いろんな思いが溢れ出ながら、おすそわけされる。最初に受け取るのはご家庭かもしれないし、子どもたちを支えてくれる団体さんかもしれないですけど、手から手へ、いろんなものが伝わっていくと思うので、そこは結構、大事してるところです。

…いっぱい喋らなあかんと思いながら喋りました(笑)

藤岡:そうなのかなと思いました(笑)ありがとうございます。

全国展開するときには、久遠寺とLivEQuality HUBの連携の仕方を渡していきたい

藤岡:ちなみに、これからLivEQuality HUBと一緒にこんなことをしていきたいな、と思っていらっしゃることはありますか。

髙山さん:LivEQuality HUBが居住支援で全国展開していった時に、お寺は全国にいっぱいあるので、今の久遠寺とLivEQuality HUBの連携の仕方を渡していきたいなっていう思いはありますね。こんなことができるんだよって。

<2023年11月に開催した第2回こどもえんにちの集合写真>

髙山さん:例えば流しそうめんでも、僕が出張するよりも、地域のお寺ごとでやれたらいいよね。お寺さん、全国に7万7000ヶ寺あるので。

おてらおやつクラブが担う食べるもののサポートや、お寺ならではの場所のサポート、そしてLivEQuality HUBが担う住むところのサポートが、うまく地域で成り立ってけばいいなと思っています。また、おてらおやつクラブでも今、お寺同士の横展開をしようと動いていて。居場所事業の中で、各地のお寺さんがやってる居場所をまず教えてもらって、教えてもらった上で地域の支援団体や家庭に落としていくといいんじゃないか、と考えています。

藤岡:LivEQuality HUBが大事にしていることの一つが「地域の繋がり」なので、地域のお寺さんと何か一緒にできたらすごくいいなって、私も思います。

<こどもえんにちでお手玉を披露してくださった民生委員・明石さんと、ブース出店してくださった名古屋市社会福祉協議会の小林さん>

髙山さん:お寺さんは結局、会社じゃないので人が足りないことが多いんですよね。なので、できるお寺、できないお寺があるけど、いろいろ繋げれるものは、どんどん繋げていきたいなと。意識してないけど、結局繋げてるのかな。わかんないな(笑)

楽しいイベントで得た人との繋がりを、新たな切り口で使いたい

藤岡:髙山さんがイベントがお好きというか、子どもたちに楽しんでもらいたい、流しそうめんは食べるより流したいみたいなところは、昔からですか。

髙山さん:好きかな…? はじめは面倒だな、ていうのは正直なとこだよ、ほんとは。

髙山さん:でも、多分好きなんだろうね。いろんな人が集まるのは大変なことだと思いつつ、結局祭りまでやってるんだから。自分がそれをやれた充実感があるし、仲間が増えたり、何よりみんなが楽しんでいるのを見るのがいいよね。

やっぱり楽しいことだと、人と繋がりやすいと思う。楽しいイベントで人と繋がって、新たな違う切り口でご縁をつなげたらと思っています。例えば、2回目のこどもえんにちで実施したトランポリン体験は、もともとは新栄祭で関わったのがきっかけで、えんにちでこどもたちに楽しんでもらえることができたので。

これは楽しそうだというものを見つけたら声をかけて、自分のリストに載せてくっていうのは、日頃からやってるかな。やっぱり、お寺っていうのは本来、ほとけさま中心にいろいろな人が行き交う場所だから。みんなが手を合わせる場所には変わらないけど、その上で行き交ういろいろな人のご縁を繋げて結んでいけたらいいな、と。

編集後記

LivEQuality HUBのオフィスにおすそわけを届けてくださるとき、LivEQuality HUBの理事会でお会いするとき、こどもえんにち開催のとき。全然違うシチュエーションですが、髙山さんはいつも同じあたたかさと心地よさを持っています。今回お話を伺って、心がけていらっしゃる「ご機嫌」が、あの居心地の良さを生んでいるんだな、と思いました。

昔からの「お寺の役目」を継承し続けながら、現代の子どもの貧困という課題についても積極的に学び、取り組まれている住職さん。そんな存在がご近所にいるということ、そして出会い繋がることができたということは、本当にありがたいことだと改めて噛み締めるインタビューとなりました。

これからも、ともに繋がりを広げ、あたたかい空気を地域に循環させていくことを、とても楽しみにしています。


久遠寺さんwebサイト
https://kuonji.net/

認定NPO法人おてらおやつクラブさんwebサイト
https://otera-oyatsu.club/

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