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名古屋のど真ん中で、ひとり親に「おすそわけ」と笑顔を届けるお寺ー久遠寺住職・認定NPO法人おてらおやつクラブ理事 髙山信雄さんインタビュー【前編】
こんにちは、認定NPO法人LivEQuality HUB(リブクオリティ・ハブ)です。
今回は、地域でシングルマザーやひとり親をサポートしている方々をご紹介する企画として、久遠寺(くおんじ)住職・認定NPO法人おてらおやつクラブ理事の髙山信雄さんのインタビュー【前編】をお届けします。
はじめにー地域のひとと支えあう、シングルマザーの暮らし
私たちLivEQuality HUBは、シングルマザーに「快適な住まい」と「地域の繋がり」を届ける活動をしています。
DVや病気で住まいを失ったシングルマザーと子どもたちが新たな住まいでの生活を安定させるためには、私たちだけでなく、行政や支援団体、弁護士・医師などの専門家、ご近所さんなど、地域の様々な人たちのサポートが欠かせません。
そのため、私たちの周りには、シングルマザーのさまざまな「困った!」に対し、解決の方法を一緒に考えたり、スキルを活かして関わってくれたりする、「地域のひと」がたくさんいます。
行き合った帰り道で疲れた顔をしていたら声をかけてくれ、トラブルが起こったら力になってくれる「地域のひと」。そんな人が周りに何人もいたら、日々を安心して、少しだけ肩の力を抜いて過ごすことができるはず。
私たちの周りの「地域のひと」たちについて、その活動と思いをご紹介することで、今まさに一人で悩んでいるシングルマザー/プレシングルマザーの方に、こんなふうに一緒に悩みに向き合ってくれる人もいるということを伝えたいーーそんな思いから、地域の方々へのインタビューを企画しました。

<インタビュー時の写真。左が髙山さん、右はLivEQuality HUBスタッフの藤岡>
今回、インタビューさせていただいた髙山さんは、名古屋市中区にあるお寺・真宗高田派賢隆山久遠寺(くおんじ)の住職で、認定NPO法人おてらおやつクラブの理事でもあります。久遠寺はLivEQuality HUBのオフィスのご近所にあり、さらに髙山さんはLivEQuality HUBの理事も務めてくださっているという、私たちと非常に深い関係の存在です。
おてらおやつクラブさんは、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、さまざまな事情で困りごとを抱えるひとり親家庭へ「おすそわけ」する活動をされています。
髙山さんには、まだLivEQuality HUBが立ち上がったばかりでオフィスすらない頃、一番最初の居住者さんが入居した時からずっと、定期的におすそわけを届けていただいています。また、シングルマザー世帯を対象としたイベント「こどもえんにち」や、居住者さん世帯向けイベント「流しそうめん」など、イベントの共催や運営でもお世話になっています。

<久遠寺さんの入り口。2022年11月3日、LivEQuality HUB・おてらおやつクラブ共催イベント「こどもえんにち」のときに撮影されたもの>
インタビューを行ったのは、2024年1月末。イベント等で場所をお借りしたりと、お世話になりっぱなしの久遠寺さんにお邪魔して、お話を伺いました。

<インタビュー時の写真。右が髙山さん、左が藤岡>
藤岡:まず最初に、自己紹介をお願いします。
髙山さん:髙山信雄と申します。 名古屋市中区にある久遠寺というお寺で住職をしながら、認定NPO法人おてらおやつクラブの理事を勤めております。また、地域のことに関わるのが好きで、地域の飲食店オーナーさんたちと一緒に「新栄祭」という夏のお祭りも実施しています。

<2024新栄祭の様子>
髙山さん:2015年に始まった「新栄祭」は、飲食店の常連のお客さんたちの口コミで人が集まり、毎回盛況です。当日は朝から晩までずっと久遠寺周辺のブロックが人でいっぱいになるので、大変ありがたいと思っています。準備から開催まではだいぶ疲れますけどね(笑)

<新栄祭でステージに立つ髙山さん>
藤岡:認定NPO法人おてらおやつクラブさんで、髙山さんは理事としてどんなことをご担当されてるのでしょうか。
髙山さん:理事として、主に寄付を担当しています。法人活動の原資となる寄付集めるにはどう活動を周知していくか、寄付の仕組みやアプローチの方法など、他の理事や職員のみんなと日々、考えながら勤めています。

<おてらおやつクラブさんから、LivEQuality HUBの居住者さんにいただいたおすそわけ>
藤岡:おてらおやつクラブさんに参加するようになって、髙山さんご自身や久遠寺さんに変化はありましたか。
髙山さん:自分自身としては、やっぱり社会に対して目が向くようになったかなと思ってます。お寺って結構、特別な業界というか、お寺の中だけで色々社会が守られてしまうところがあるんです。そのお寺が関わる、お檀家さんや地域の方々だけで完結できてしまうから。そうすると、この社会は何に困っているのかっていうのは、実はあんまりわからない状況になると思います。おてらおやつクラブに関わっていくことで、今、社会にある課題は何だろうっていうことに、非常に興味が出てきました。

髙山さん:さらに、課題に対して関心を持って携わっていく、関係していくっていうことができるようになってきたと思います。全ての課題について取り組むのは無理だけれど、いかに自分ができることに携わっていくかっていうことを、常々思っています。
久遠寺というお寺の変化としては、子どもの貧困という社会課題に関心がある人たちが足を運んでくださるようになったことが大きいです。集まった人たちが社会課題のために実際に手を動かしたり、情報を得たりする場になっているんです。そして、これまで子どもの貧困について知らなかったけれども、なんとか自分にできることをしたいと手を差し伸べてくださるお檀家さんや地域の方々も、増えたかなって思ってます。
藤岡:続いて、私たちと出会ったきっかけについて、教えていただけますか。
髙山さん:もともと、LivEQuality HUBの居住支援コーディネーターの神さんとは、神さんの前職時代からのお付き合いでした。そのご縁で、神さんから、LivEQuality事業立ち上げのキックオフミーティングに誘われたんです。
それで、まずはおてらおやつクラブの理事に相談しました。そうしたら、「代表の岡本さんはすごい人だ。東京でNPO業界を引っ張ってきた人が、名古屋で会社経営しながらNPOを立ち上げるっていうことはすごいことだから、絶対に顔を出してくれ」「認定NPO法人フローレンスでお仕事されていた宮崎さんがいるのもすごい。一回行ってきなさい」って口々に言われたんです。
僕はそれまで全くNPO業界の方々と顔合わせをしたことがなかったので、どんな状況なんだろうなと思っていましたが、行ってみたら、すごくあったかい雰囲気で。あんなふうに、みんなが繋がり合おうとする雰囲気っていうのは、今まであんまり体験したことがないものでした。

<2022年に初開催した、名古屋市内のシングルマザーと子どもたちを招待するイベント「こどもえんにち」のときの写真。写真右から、LivEQuality HUB・神(じん)、髙山さん、岡本、藤岡、当時のインターン生・とーますさん>
藤岡:そんな、キックオフミーティングをきっかけに始まったLivEQuality HUBと髙山さんの関係ですが、今や、「こどもえんにち」「流しそうめん大会」など、髙山さんなくしては実現できないイベントがたくさんあります。企画運営にもガッツリ関わっていただいていますが、それぞれのイベントに対する想いを教えていただけますか。
髙山さん:イベントに対する思いっていうか、子どもたちが楽しんでくれたらいいなっていうのが、もう本当に原点というか、それが一番かなと思っています。子どもって、楽しいことは笑うけど、おもんないことには全然見向きもしないし、大人みたいに気を遣わないですよね。
そんな子どもたちが笑えるくらい楽しい体験が多ければ多いほど、ゆとりが出て、家の中の循環もよくなるのかなと思います。お母さんも、子どもが喜べばそれはそれで嬉しいだろうし、喜んだことで、お母さん自身も次のステップに行けるかもしれない。それを実現したいという思いがあります。

<こどもえんにちで、お昼ご飯のカレーをお母さんと子どもたちに配っている髙山さん>
髙山さん:また、場がある立場としての役割も感じています。この久遠寺という場を活用することで、いろんな人が、ここを一つの居場所とまでは言わないですけど、ちょっとほっとする場所として認識してくれたらと思っています。
あとは、自分が好きだからやる。 「流しそうめんは食べるより流してたい」とか「段取りしたい」とか。で、みんながそれを喜んでくれたら、また自分の励みになるからっていうので、イベントに携わっています。

<流しそうめん大会の際、そうめんを茹でている髙山さん>
髙山さん:だから、作りすぎてね(笑)食べるのがしんどくなるぐらい作りすぎたっていうのは、いかんかったと思うけど(笑)
藤岡:また、やる時があれば量は調整したいですね(笑)
髙山さん:色々用意していたのに、そうめんしか食べれなかったっていうのはね(笑)あと、スイカ割りでは、LivEQuality HUBの代表も一緒に遊んでくれるので、ああいうところも素晴らしいなと思います。一番率先してやる感じというかね。

<流しそうめん大会のスイカ割りで、子どもたちのためにお手本を見せるLivEQuality HUB代表・岡本と、サポートする髙山さん>
藤岡:LivEQuality HUBとのイベントでの連携については、どう感じていらっしゃいますか。
髙山さん:久遠寺には、こどもえんにちをやるための場所と、テントや遊具が元々ありました。ただ、当日の運営を回すための人がいない。そこはLivEQuality HUBさんに尽力いただき、実施が叶いました。ちょっと多いんじゃないかっていうぐらい、人をどんどん集めてくれて(笑)、すごいなと思っています。
こどもえんにちは、例えば僕が一人でやりたいと言ったとしても、できるイベントじゃない。LivEQuality HUBさんがいて、ボランティアさんがいて、場所があって、ものがあるから、初めて開催できるイベントだと思っています。
後編はこちら:https://livequality.co.jp/hub/magazine/240917-2
後編では、髙山さんが普段、人と関わるときに意識されていることや、髙山さんにとっての「繋ぐこと」、LivEQuality HUBとの今後について、お伺いします。
久遠寺さんwebサイト
https://kuonji.net/
認定NPO法人おてらおやつクラブさんwebサイト
https://otera-oyatsu.club/