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「子どもにとって安心安全で楽しい親子交流(面会交流)を届けるために」一般社団法人FamiliesChange(面会交流サポートふぁみちぇん) 今枝朱美さんインタビュー

こんにちは、認定NPO法人LivEQuality HUB(リブクオリティ・ハブ)です。

今回は、地域でシングルマザーやひとり親をサポートしている方々をご紹介する企画として、一般社団法人FamiliesChange(面会交流サポートふぁみちぇん) 今枝朱美さんのインタビューをお届けします。

はじめにー地域のひとと支えあう、シングルマザーの暮らし

私たちLivEQuality HUBの周りには、シングルマザーのさまざまな「困った!」に対し、解決の方法を一緒に考えたり、スキルを活かして関わってくれたりする、「地域のひと」がたくさんいます。

行き合った帰り道で疲れた顔をしていたら声をかけてくれ、トラブルが起こったら力になってくれる「地域のひと」。そんな人が周りに何人もいたら、日々を安心して、少しだけ肩の力を抜いて過ごすことができるはず。

私たちの周りの「地域のひと」たちについて、その活動と思いをご紹介することで、今まさに一人で悩んでいるシングルマザー/プレシングルマザーの方に、こんなふうに一緒に悩みに向き合ってくれる人もいるということを伝えたいーーそんな思いから、地域の方々へのインタビューを企画しました。

今枝さん・一般社団法人FamiliesChange(面会交流サポートふぁみちぇん)について

今回、インタビューさせていただいたのは、一般社団法人FamiliesChange(面会交流サポートふぁみちぇん、以下ふぁみちぇん)の今枝朱美さん。ふぁみちぇんさんは、親子交流(面会交流)を第三者としてサポートする団体です。離婚や別離などで別れた父母が顔を合わせることが難しいケースに対して、親子交流(面会交流)を円滑に行えるようサポートをしています。さらに今枝さんは夫婦問題カウンセラーでもあり、開業からの12年間に3,000件以上の夫婦問題の解決をお手伝いされてきました。

LivEQuality HUBとの関わりについて

別居や離婚を経て、別居親との親子交流(面会交流)に不安を抱えている居住者さんはLivEQuality HUBにも数多くいらっしゃいます。そうした中で今枝さんの存在は心強く、悩み相談のための座談会を開催したり、直接的なサポートに関する個別相談をお願いしたりといった形で、連携をさせていただいています。

インタビューを行ったのは、2023年12月。事務所のナゴヤビルにお越しいただきお話を伺いました。

「離婚しても親子は親子」親子交流(面会交流)に関わるようになったきっかけ

<インタビュー時の写真。右から今枝さん、LivEQuality HUB・榊原>

榊原:今日はありがとうございます。そもそも今枝さんが、離婚や別居中の親子が定期的に会う「親子交流(面会交流)」のサポートを始められたきっかけは何だったのでしょうか。

今枝さん:最初は夫婦問題カウンセラーとして夫婦問題の相談に乗っていましたが、時には離婚に至るというケースもありました。そうした子どもたちがどうなってしまうのか気になってしまって。そんな中、勉強のためにとある団体さんを見学をしているとき、数年ぶりに会う父親と子どもたちに出会いました。子どもたちが、エレベーターが開いた途端、ばあっと父親に駆け寄って抱きついて喜んでいる姿を偶然見て、こんなに子どもたちが喜ぶなら私も何かお手伝いしなきゃなと思ったんです。

子どもにとって安心安全で楽しい親子交流(面会交流)を実現するために

榊原:ふぁみちゃんさんとして、親子交流(面会交流)のサポートで大事にされていることはありますか。

今枝さん:私たちは「離婚しても、親子の交流をずっと持ち続けられる社会を目指します」という理念を掲げて活動しています。 離婚したら片方の親がいなくなるわけではない。夫婦は離婚しても親子は親子、という思いでいつも支援をしています。

榊原:必ずしも子どもとの関わりが得意な別居親ばかりではない中で、ふぁみちぇんさんは託児所と連携されています。

今枝さん:私たちは、親子交流(面会交流)が楽しく、安心安全であるようにという気持ちでいつも支援しています。産後すぐ離婚された別居親の方の中には、子どもの抱っこの仕方すら分からないという方もいます。しかし、そうした方も子どもを想う気持ちに変わりはありません。保育士が何かあったときにサポートできる託児所であれば、親子ともに安心して利用できます。子どもたちにとってどんな環境がいいのかを考え、一時託児所はないとさんに連携をお願いするなど、支援の幅を広げてきました。当日も、お母さんやお子さんに不安そうな様子がないか、現場で見守らせていただいています。

榊原:単に親子が面会できればいいというわけではなく、親子交流(面会交流)が上手くいっているのかも見守っていただいているのですね。

今枝さん:そうですね。会えば親子交流(面会交流)が上手く行くというわけではありません。親子交流(面会交流)は親子で楽しい時間を過ごすことだと思っていて、何かをしなければいけないということはありません。ただ、親子にとって良い時間になればと思い、見させていただいています。

榊原:行きたいところがある場合、その場所まで一緒に行っていただけるのでしょうか。

今枝さん:全国的には、お子さんの預かりから面会場所への同行、帰宅まで付き添うといった移動型の付き添い支援が多いかと思いますが、様々なリスクを考え、ふぁみちゃんの場合は、託児所やプレイランド、プライベートルームといった拠点型の支援方針を取っています。

榊原:サポートがあったとしても親子交流(面会交流)が難しいケースは多々あるかと思います。どんなことに気を付けて支援をされていますか。

今枝さん:私たちの親子交流(面会交流)サポートを利用する多くの方が、離婚調停や裁判で親子交流(面会交流)が決まった方々です。そうすると「全員が敵」のように大きな葛藤を持っている方が多く、まずは信頼関係を構築するところから始めています。難しいのですが、どちらかに寄り添うことがもう片方の親の敵にもなってしまう。あくまで中立的な立場をブレさせないということが、安心安全で楽しい親子交流(面会交流)に繋がると考えています。

親子交流(面会交流)に不安を抱えるお母さんへのアドバイス

榊原:親子交流(面会交流)に不安を感じているお母さんもいるかと思いますが、そうしたお母さんたちへのアドバイスはありますか?

今枝さん:親子交流(面会交流)の実施が決まったのであれば、子どもの成長にとって必要な協力者だというように、気持ちを切り替えて覚悟を持つことがとても大切だと思っています。

榊原:「別れた夫に会うかもしれない」と不安を感じている方もいます。

今枝さん:事前面談で具体的な受け渡し方法を説明することによって、ある程度受け渡しの不安は軽減できているのではないかと感じますが、寧ろ「子どもに聞かれたくないことを質問するんじゃないか」という不安が何回実施しても消えないという方のほうが多い印象があります。その場合は、近くで見守りをして「言ってはいけないことを言わない、というルールを守っていたよ」ということを伝えさせていただいています。万が一、事前に決めたルールを守っていないと見受けられる場合はすぐに介入します。

今枝さん:本来は親同士で親子交流(面会交流)ができればよい、そのためいつかはふぁみちぇんを卒業することを前提にサポートさせていただいています。卒業までのペースは人によって異なりますし、実施場所や方法、サポートを必要とする場面も十人十色です。一人ひとりに合わせてきめ細やかに対応しています。

榊原:また、経済的な不安を抱える方にとって、親子交流(面会交流)のサポートの利用料は大きな負担になるかもしれません。

今枝さん:残念ながら、負担を軽減するサービスは今のところなく、調停や話し合いの中で、親子交流(面会交流)の費用を別居親が負担するように合意することで同居親が負担軽減しているケースもあります。ただ、私たちとしては「無料になったからいい」とは考えていません。長期的に見て自分たちで親子交流(面会交流)を実施できるようになることを目指しているので、逆に、利用料が発生することで卒業のモチベーションを高めてほしいとも思っていて、難しいところです。

「高い高い!」親子交流(面会交流)で生まれた子どもたちの笑顔

榊原:親子交流(面会交流)を通じて、特に印象に残っているハッピーなエピソードがあれば教えてください。

今枝さん:親子交流(面会交流)はどうしても「やりたくない」といった話になりがちなのでハッピーなエピソードを聞いてもらえると嬉しいです。一番は子どもたちの笑顔ですね。パパに高い高いをしてもらったり、ママと手作りクッキーを食べたりしているとき、子どもたちが本当にうれしそうな笑顔をしていて。

今枝さん:そして、同居親は、いつも子どもたちと一緒にいてなかなかリラックスできない状態かと思います。最初は不安そうに過ごしていたお母さんが親子交流(面会交流)の時間を利用して、次第に美容院に行ったり、自分のためにカフェでゆっくり過ごしたりできて楽しそうにお迎えに来ると、私たちもとてもうれしい気持ちになります。

夫婦問題カウンセラーとして思うこと

榊原:今枝さんはふぁみちぇんの活動だけではなく、夫婦問題のカウンセラーとしても活動されています。夫婦問題のカウンセリングでは、いつもどんなことに気を付けて相談に乗られていますか。

今枝さん:親子交流(面会交流)のサポートをしているのもあって、ただ耳障りのいいことを言って寄り添うだけというのは考えられなくて。関係性を修復するにしても離婚するにしても、今の相談者さんだけがよくて、あとのみんなが不幸になることがないよう、家族全体を見て、そして先を見据えて相談に乗らせていただいているので、時には厳しいことを言います。

榊原:夫婦問題や離婚に悩んでいてもカウンセリングになかなか辿り着かない方も多いと思います。特にどんな人にカウンセリングをお勧めしたいですか?

今枝さん:現状が見えなくなっている人に一番来てほしいですね。自分の考えを見失っちゃっている状態での離婚が一番危険。決断する前に一度相談に来てほしいです。

榊原:色々な情報を得ることができている方もいれば、相談できずに自分の中で追い込んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。

今枝さん:我慢するのが当たり前、頑張るのが当たり前という方がすごく多い。そういう方に第三者の視点をお話させていただくことで、自分の現状を客観的に認識できて「来てよかったです」「スッキリしました」と前向きになっていく姿を見たとき、本当に相談に乗っていてよかったなって思います。

榊原:カウンセリングだと友達にはなかなか話せないようなことも相談できます。

今枝さん:特に性の悩みは絶対人には言えないし、話す言葉を持っていないという方も多いです。私の場合、夫婦同席でカウンセリングすることも多くて、代わりにパートナーにストレートに聞くこともできるので、ぜひ性のお悩みは相談に来ていただきたいです。

LivEQualityとの連携とこれから

榊原:LivEQuality HUBと連携することにしたきっかけがあれば教えてください。

今枝さん:居住支援コーディネーターの神(じん)さんとの繋がりが最初のきっかけですが、あくまでも私たちは中立的な立場でなければならない中、お母さんと子どもに寄り添う支援をされているというところが決め手でした。伴走しているLivEQuality HUBさんから「大丈夫だよ」と言ってもらえることで、「親子交流(面会交流)は嫌だな」と思っているお母さんたちと信頼関係を築きやすいですし、最初の一歩としてとても有難いと思っています。

榊原:ふぁみちぇんさんとして、親子交流(面会交流)のお悩み相談会を開催したり、直接的なサポートに関する個別相談をお願いしたりなど、現在も幅広い形で連携させていただいています。不安を抱えたお母さんたちが具体的な支援内容を聞くことで安心に繋がっていると思います。

今枝さん:LivEQuality HUBさんが間に入っていただいていることで、安心して親子交流(面会交流)のサポート団体が関われるというところもあると思います。本当に有難いです。

榊原:私たちもとても助かっています。先日、親子交流(面会交流)のお悩み相談会を開催したときに「離婚を迷っています」という方もいらっしゃいました。LivEQuality HUBに住まいの相談をされてこられた方の中には別居検討中の方もいます。そういう方に、今枝さんをご紹介すると何かヒントが得られるかもしれません。

今枝さん:そうですね。夫婦問題カウンセラーとして、もう離婚を決意していたとしても、子どもたちを育てる父と母であることには変わりないので、今後LivEQuality HUBさんと一緒に、見方を変える勉強会やお話会ができればうれしいなと思っています。

榊原:ぜひ実現できるとうれしいです!貴重な機会をありがとうございました。

編集後記

子どもの喜ぶ様子を見て、親子交流(面会交流)のサポートに関わっていくことを決めたという今枝さん。託児所などの連携先を開拓して環境を整えるなど、「子どもにとって安心安全な親子交流(面会交流)」の実現を第一に考え、そのために必要なことを実践されてきたことが改めてわかるインタビューとなりました。

LivEQuality HUBのオフィスで開催した座談会でも、親子交流(面会交流)について、お母さんたちがわからなくて不安になっていることを一つひとつ解きほぐしていってくださる姿が印象的でした。また、LivEQuality HUBの居住者さんで親子交流(面会交流)に不安を感じているお母さんに対しても今枝さんを繋ぐことができて、大変心強く感じています。

これからも引き続きご一緒させていただき、不安に感じているお母さんたちに必要な情報や繋がりを届けていけたらうれしいです。

面会交流サポートふぁみちぇん
https://famichan.org/

夫婦問題・離婚問題相談室 リボーン
https://www.fuufumondai.com/

今枝さん登壇イベント
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